特集 地域母子保健への取り組み
グラフ
地域に根ざした母子保健活動の展開—新潟県国保町立ゆきぐに大和総合病院の助産婦活動をたどって
本誌
pp.617-620
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206280
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上越新幹線で大宮から約1時間半,浦佐駅に降りると高架線のプラットホームから,三方を山に囲まれた盆地が見渡せる.魚沼の郷と呼ばれるこの地域は日本有数の豪雪地帯として有名であるが,梅雨どきのどんよりと曇った空の下に広がっているのどかな田園風景からは,苛酷な雪との闘いを思い浮かべるのは難しい.民家の屋根にかけられた雪降ろし用の段梯子と,玄関を2階に設けた変形3階建ての日本家屋が,わずかにその片鱗を覗かせているだけだ.
この盆地のほぼ中央に,国保町立ゆきぐに大和総合病院がある.中央に農村検診センター,左翼に特養老人ホーム「八色園」を配したこの建て物を総称して大和医療福祉センターと呼ぶ.センター長・黒岩卓夫医師をはじめとするスタッフと地域住民が,町ぐるみで予防と治療の一体化を目ざして築き上げてきた地域包括医療実践の拠点である.病院産科では,病棟に所属する6名の助産婦全員でローテーションを組み,うち1名が2か月交替で助産婦外来や訪問看護をはじめとする病棟外の業務に当たっている.そのユニークな活動の一端を,6・7月の外来担当助産婦井口久子さんの1日を追いながら紹介する.
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