増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
各論
躯幹・四肢の軟部組織
及川 博文
1
,
江原 茂
1
1岩手医科大学放射線科
pp.372-376
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908418
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正常解剖
腹壁
腹壁は皮膚,皮下脂肪,浅腹筋膜,腹筋,腹膜前脂肪組織,腹膜からなり,腹部の消化器系の諸臓器を覆い囲む.上方は肋骨弓,下方は腸骨稜,鼠径靱帯,恥骨と境されている.腹壁は浅層から前腹壁(図1),側腹壁(図2),後腹壁(図3)に区分される.前腹壁の腹筋は白線を挟み,腹直筋が縦走する.側腹壁の腹筋は外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の3層で構成される.後腹壁の筋は後背筋,腰方形筋,腰筋からなる.腹壁は腹部臓器の保護のみでなく,体幹の運動,呼吸補助などの働きをする.また,腹筋の収縮により,腹腔内圧が上昇し,分娩,排尿,排便などの補助もする.
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