今月の臨床 妊婦健診のピットフォール
初期健診のピットフォール
2.誤ったCRLの計測と予定日決定
坂井 昌人
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.1071-1073
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904721
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はじめに
妊娠初期のCRL:crown-rump length(頭殿長)の計測は1973年Robinson1)によって最初に提唱された.それまで行われていたBPD:biparietaldiameter(児頭横径)計測は妊娠初期には計測困難で,子宮の大きさやGS:gestational sac(胎嚢)計測では分散が大きく妊娠週数推定には適さなかったためである.妊娠初期は個体差による計測値の分散が小さいため,CRL計測は妊娠週数の推定や確認に利用されている.正しく計測されたCRLによる推定妊娠日数の95%信頼区間は±4〜5日である2).CRL計測は当初,経腹走査によって行われていたが,現在は経腟走査が多くなり,計測精度は向上している.しかし誤った計測法で得られたCRLでは妊娠週数の推定を誤ってしまう可能性がある.正しいCRL計測による妊娠週数の推定のために知っておくべき事項をまとめた.
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