産育習俗今昔
11.自立へ—食い初めから誕生祝い
鎌田 久子
1
1成城大学
pp.936-939
発行日 1982年11月25日
Published Date 1982/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206123
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人生儀礼の根幹にあるもの
生児をめぐる儀礼の根幹には,生物としての人間の発育状態があるのではないかと,先号において述べたが,その儀礼も全国一様でなく,ある地方では7日めに行なうものを,他の地方では30日前後に行なうとか,あるいは出生直後に行なうなど,名称,行為,ともに画一に行なわれているわけではない。しかし,3日,7日,20日ないし30日,100日などの日数は,内容はことなっていてもほぼ全国共通した人生儀礼施行の日となっている。もちろん4日とか8日,あるいは21日とか33日,110日など,日のずれは幾つもあるが,だいたいの時間的経過は上記の日数で指摘することができる。前号に7日めの初出の儀礼を社会人第一歩としたが,地方によって,20日から30日前後に行なわれる宮参りの儀礼を公人第一歩と見做す地方も多い。
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