調査研究実践講座・9
指標のいろいろとその理論的背景[1]
林 謙治
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.855-859
発行日 1982年10月25日
Published Date 1982/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206105
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1つの事象や病気の頻度を表現する尺度はいろいろあるが,もっとも簡単な表現方法の1つは,たとえば「ここに300人の低出生体重児がいる」といったような言い方である。しかしこうした情報は実際的な意味をほとんど持たない。
ここで事象の発生した場所と時間(あるいは期間)を明記して「A市では昭和56年の1年間に300人の低出生体重児の出産があった」といえば,情報の重要性はグッと増す。少なくとも行政の目的に十分沿うであろう。低出生体重児のための医療機関の整備,新生児特別訪問のマンパワー,医療給付の財政規模などを設定する上で役に立つ情報に違いない。
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