調査研究実践講座・6
資料の特性と収集
林 謙治
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.504-510,517
発行日 1982年6月25日
Published Date 1982/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
資料の収集は研究内容を深めるためにも,あるいは研究で得られた結果を解釈するにあたっても大きな意味を持つことは,いまさら強調するまでもないが,それでは資料はどうやって集め,そしてどう利用できるかについて,必ずしもよく知られていない。今回取り扱うテーマのなかでいう"資料"とは新しく検診を行なったり,あるいは調査を実施することによって入手するもの,すなわちデータを指すのではなく,"既存資料"について述べることにする。
われわれの分野の調査研究に必要な資料を大きく分けると大体二通りある。1つは,いわゆる参考文献ないし参考図書と呼ばれるもので,もう1つは統計資料の類いである。参考文献は研究の方向づけに役立つことがあり,また他の研究から得られた結果をわれわれのそれと相互比較し議論の材料にすることができる。他方,統計資料は参考文献としての役割を果たすこともあるが,調査研究の内容の一部としても利用することができるという点で重要な意義を持つ。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.