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情報の収集
松村 正巳
1
1石川県立中央病院腎臓内科
pp.193
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107416
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- 文献概要
患者さんの診断,治療,マネジメントにおいては,患者さんの情報を,できるだけ多く把握することが,きわめて重要であることは言うまでもありません.患者さんと良好なコミュニケーションを築く努力をしながら,自己紹介から始まり,問診,診察を行い,検査,診断,治療についてじっくり話し合っていくわけです.患者さんのプロフィール(生活像)もしっかり把握しなくては,マネジメントに支障が出てきます.しかし,担当医1人で集められる情報には,どうしても限りがあります.考えてみれば,1人の患者さんと接する時間も,決して長くはありません.十分な時間が,どうしてもとれない日もあります.
患者さんにかかわるコメディカル(看護師,理学療法士,薬剤師,栄養士,など)の方々も,患者さんの情報を日々把握しています.カルテの三測表に目を通すのと同時に,看護記録もできるだけ読むことをお勧めします.医師には言わない(言えない),患者さんの声が書かれています.また,看護師の勤務交代時の申し送りを何気なく聞いていると,自分が把握していなかった患者さんの状態,検査,治療に対する思いなどを知らされることが,たびたびあります.看護師の勤務交代時に,病棟にいると幸運に恵まれます.担当の患者さんが,リハビリテーションをしていれば,理学療法士から,服薬指導を受けていれば,薬剤師から,栄養指導を受けていれば,栄養士から,患者さんの情報をもらうべきです.さらに,掃除担当の方から,ある患者さんが,処方された薬を全く服用せず,ゴミ箱に捨てていたという情報を得たりすることもあります.そして,得られた情報は診断,治療,マネジメントに反映されていきます.
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