特集 生命科学へのアプローチ
人間と生物
野田 春彦
1
1東京大学理学部・生物化学
pp.10-13
発行日 1982年1月25日
Published Date 1982/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205950
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地球上に生命と呼べるものが誕生して以来35億年が経過している。進歩した現代の科学は,生命の本体が「遺伝子(DNA)」に求められることを回答している。つきつめていけば,生物はすべて分子で組み立てられた機械であり,DNAこそが生物体の主人であるかのような見方さえできる。しかし,生物のなかでは人間だけが,言葉をもち知識を蓄積し,次代に伝え発展していくことができる。生命の本体にこれほど迫りつつある「生命科学」が,進路の選択に誤ることなく,人類社会の福祉に役立ってほしいと願うものである。
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