ケース・レポート
回腸導管瘻を有する妊産婦の経過と看護
星野 裕子
1
,
鈴木 とも子
1
,
野本 和恵
1
1群大病院産科
pp.617-624
発行日 1981年8月25日
Published Date 1981/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205890
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1.はじめに
尿路変更術は回腸導管のため,妊娠・出産の例がほとんどない。今回,先天性脊椎破裂に伴う膀胱神経障害により,尿意を感じないまま20歳まで終始尿のたれ流し状態でおむつを使用していた女性が,尿路変更術を受けて妊娠・分娩を無事終了した。
看護援助については,食事指導を中心とした中毒症予防を行なったが,今回の症例では,本人が計画した妊娠ではなかったので,母性意識をどう育てるか,また,生まれてくる子供への不安解消のためにどう援助するかなど,まれな症例である困難さに加えてさまざまな問題を有していたので,とまどいの連続であった。その過程をふり返ってここに報告する。
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