研究・調査・報告
会陰切開術後の褥婦の保健指導に関する一考察—性生活に対する不安について
白井 やよい
1
1滋賀県立総合保健専門学校助産学科
pp.500-510
発行日 1981年7月25日
Published Date 1981/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205874
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はじめに
分娩を助産婦が主として取り扱った時代には,会陰裂傷を生じさせないために,さまざまな努力がなされた。近年,産科医が分娩を取り扱うようになってからは,母児の障害の予防を目的として,むしろ積極的に会陰切開(以下,切開と略す)が実施されるようになり,その結果,出産時に切開を行なうことがきわめて日常的になってきた。このような傾向のためか,褥婦は産後の性生活に対する不安を持っているのではないかということをその言動から感じさせられることが多い。しかし,産後の性生活に関する不安の研究は,村山からの報告1〜2)があるに過ぎず,特に切開を受けた褥婦についてはなされていない。
そこで今回,切開の有無が産後の性生活への不安に影響を与えるものかどうか,その実態を知り,不安を軽減させるための手がかりを得,今後の活動に役立てたいと本調査を行なった。
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