研究
褥婦看護の一考察
勝島 喜美
1
,
田中 道子
2
1国立公衆衛生院
2名古屋市立大学看護学校
pp.49-53
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203318
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
戦後施設内分娩が増加している.統計によると「市部では82.8%(1963年)1)」である.褥婦看護,ことに施設内分娩で退院するまでの1週間前後の看護は「出産による母体の疲労をできるだけ早くのぞき,その後出産によつておこつた現象の回復を助け,泌乳機能を助成し,あわせて育児法,家庭へ帰ってからの日常生活への適応どのようにしてゆくかを指導援助する」ものと考える.昨今のように助産婦看護婦が不足している現状では,各施設においてそれぞれ創意工夫をして実施されているが,われわれは褥婦のニードを把握し,実際に看護を行なってみて,また新ためて褥婦看護を考究する目的で本調査を行なった.
調査に先だって,過去に行なわれた看護研究を調べている時,「『看護の必要度に関する実験的調査』報告書,日本医師会病院課,研究班湯槇ます,高橋坦子,小玉香津子(東大医学部基礎看護学教室),日本医師会雑誌49巻12号,昭和38年6月15日発刊2)」を発見した.この調査目的は「①看護を客観的にとらえ得る方法論を案出する.②その方法を用いて患者を中心にした看護の必要度を量的にとらえる,③同じく看護業務の質的分析をする.④病院が必要とする看護要員の構成を探る(病院管理上考えられる他の因子は一応除外する)である.」
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.