特集 生命誕生と医の倫理
産科医療と倫理
品川 信良
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.19-27
発行日 1981年1月25日
Published Date 1981/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205800
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1.はじめに
「医療と倫理」とか「医療行為の非倫理性」「悪徳・悪質な医師,看護婦,助産婦」などということを,私たちは最近,ことさら頻繁に耳にするようになってきた。特に,産科領域に対する風あたりが,近年強い。例えば,小説『白い巨塔』においては,外科を中心にした医療や医学界一般のことが話題になっていたが,『神の汚れた手』では,産(婦人)科医療とその周辺に,話題は限られた。そして大きく世の関心を集めた。また,最近のT市のF病院における問題にしても,あれが産(婦人)科でなかったら,マスコミや世間一般は,もう少し穏やかな冷静な対応をしたのではないか,との声もささやかれている。
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