境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科に必要な形成・整形外科の知識
口唇裂・口蓋裂の加療プログラミング
本庄 巖
1
Iwao Honjo
1
1京都大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.797-799
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.口唇裂・口蓋裂の知識
1.口唇裂・口蓋裂の発生と原因
口唇裂・口蓋裂の子供は,日本人ではおよそ500人に1人の割合で生まれる。裂型別に見ると口唇・顎・口蓋裂児が全症例の約半数と最も多く,次いで口唇裂のみ,口蓋裂のみとつづく。
口唇の形成は胎生初期の第4週から第7週頃に,口蓋の形成は胎生第7週から第12週ころまでであり,その期間に母親が服用した薬物,罹患した病気(風疹など),栄養,放射線,精神的不安定などが口唇・口蓋裂の原因因子の1つとして想定されているが,なお不明な点が多い。遺伝によるものは意外に少ないが,両親や兄弟に口唇裂や口蓋裂があると,次に生まれてくる子供に異常がみられる確率はかなり高い。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.