特集 地域母子保健と助産婦の役割
研究
産後の生活調査からみた産褥保健指導のあり方
福井 典子
1
1大阪府立看護短大
pp.456-463
発行日 1980年7月25日
Published Date 1980/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205731
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1.はじめに
産褥時には,感染予防,性器復古の促進,授乳の確立などの管理のほかに,精神的,肉体的に母性を自覚させ確立させて,育児に確信をもたせるための保健指導および生活援助が重要であることはいうまでもない1)。
ダナ・ラファエル2)は母乳哺育を成功させるためには,出産後の一定期間他の人からの助けを確保することが必要条件であり,この援助行為を「母親をマザーリングすること」と述べている。「マザーリングすること」は単に母乳栄養を確立するだけではなく,育児不安,育児ノイローゼ等を防止するためにも必要であると考える。母親,特に新しい母親には,精神的,身体的援助と,育児知識をも教育できる実際的で医学的なマザーリングを展開する人が望まれる。
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