インターホン
陰の援助か,看護と指導
河㟢 秀子
1
1国立呉病院
pp.357
発行日 1980年5月25日
Published Date 1980/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205710
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同僚とよくこんな話をする。学校で教師を選ぶことはできないが,病院や医師を選ぶことはできると。名医か否かの判定基準はいろいろあると思うが,こんなケースがあった。1年近く入院しているのに,症状は一向に良くならず,かえって悪くなる。高血圧だと言うのに,血圧は週に1回しか測らない。あとは薬だけで,他の検査は何もしない。手足はますますしびれて麻痺してくる。それでも医師は,血圧が高いからだと言う。国立病院に来てみると,筋萎縮性束索硬化症の疑いで,あらゆる検査を受けたという。このほかにもさまざまなケースがある。妊娠期間中は,何の異常もないのに,予定日間近になって前回帝王切開だから,今回もそうなると人手が足りないので,国立に行くようにと,紹介されてくる。それはまだ良い方で,DICで術後は救命救急センターに入らなければならないような人もある。なぜこんなになるまで手元においておくのか,何も知らない家族や患者のことを考えると,やりきれない。
最近は医師の管理下で分娩するケースが,少しずつ減少の傾向にあり,ラマーズ法を取り入れた自然分娩が,徐々に増加している。これはとても喜ばしいことであり,助産婦の専門性が生かせる格好のものである。各種講習会の案内状が届く中,このラマーズ法を組み込んだものがあったので,わが病棟からも2名参加してきたが,とても勉強になったと言う。
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