ケース・レポート
乳腺炎患者の治療および看護を体験して
桶谷 そとみ
,
斎藤 悦子
pp.340-348
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205551
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1.はじめに
乳腺炎をくり返し,「もう治った」と医師に言われたものの,その後も症状がとれず,途方にくれていた1人の患者が,桶谷式乳房治療手技(以下,手技と略す)を軸にした看護的援助によってこの苦しみから解放されたばかりでなく,母乳栄養による育児の確立を導き,母親の産褥期を楽しいものへと一転させ,赤ちゃんもよく笑うようになってかわいらしくなった,と驚くべき変化を見ることができた。
この症例を通して,乳腺炎とはいったい何なのか,このケースへの治療・看護の経過をふりかえりつつ,医療の現状と,一開業助産婦の看護内容とを比較し,母乳哺育の重要性と看護的援助行為の必要性について検討してみたい。
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