特別企画 いま産み育てる世代の感覚と対応
私と読書
お仕着せの性の殻を破る—「からだノート」を読んで
朝倉 章子
1
1日赤医療センター
pp.232-233
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205363
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4年前に出版された「女のからだ」(合同出版)をすでにお読みの方も多いかと思うが,中山千夏氏の「からだノート」は,日本社会の中で女が女の身体について話し合い,女自身の内なる言葉で書いた本だ。この本は5つの章から成っている。
第Ⅰ章の「話し合っちゃおう」では,女が自分自身の身体について考える時ですら,男社会の概念によって考えさせられていることを指摘している。女が本当に自分で自分のことを判断し,考えるためには,まず自分自身の身体を自分で観察し,知らなければいけない。案外,助産婦であっても,自分の月経周期や,前回月経の第1日目を知らない人がいるものだ。そして,女は女同志で自分たちの身体について,もっと話し合うことを始めなければいけない。母が娘に,女の身体や性について言うのをためらった時代は終った。女たちが,女たちに,自分たちの身体のことを自由に話せる時代だ。
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