わたしの助産術
出生直後の沐浴廃止とレジウォーマーによる保温
花田 幸江
1
1倉敷中央病院分娩センター
pp.182-185
発行日 1978年3月25日
Published Date 1978/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205350
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はじめに
新生児は皮下脂肪が乏しく,体温調節中枢が未発達のため,環境温度に左右され体熱を失いやすい。いったん失った体温を回復させるにはかなりのエネルギーが必要である。低体温は,新生児の呼吸循環の適応を遅らせ,チアノーゼ,痙攣,元気不良,哺乳力不良などの原因となり,予後に影響を及ぼすことも多い。
出生直後の体温は,皮膚に付着した水分(羊水,血液,粘液)などの気化熱で失われるが,それ以後は伝導・対流よりも輻射による喪失が大部分である。毎日の沐浴も皮膚に付着した水分によって体温の喪失の原因になる。ここでは特に,出生直後の沐浴と,レジウォーマーによる保温について,本院での研究を通して記述してみようと思う。
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