分娩体験記
次男こそは,と母乳で育てる—はるばる桶谷さんを訪ね,2週間の旅館住まい
平 好江
pp.58-59
発行日 1978年1月25日
Published Date 1978/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205329
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私は全国の助産婦さんに桶谷式乳房治療手技を是非獲得していただきたいと思っている1人です。愛知県の春日井市におりますが,実家が名古屋なので,そこで長男,次男を産みました。最初の子の時も絶対母乳で育てたいと思っていましたがお乳が足りませんでした。努力しなかったのか,看護婦さんは「出だしたら良く出るお乳なのよ」といってくれました。そんなことだったら何とか出して欲しいと思いマッサージをしてもらいましたが,お産の時よりも痛く,一難去ってまた一難という感じでした。そのかいもなく,混合といってよいのか,ミルクのほうが多い毎日になりました。とはいえ,少しでもと思い,母乳を吸わせてからミルクを与えておりました。
次男の時には2回目だから今度は出るだろうと思いましたが,何のことはなく,またもや混合です。入院している時に「先生,よく出るお乳のクスリはありませんか」とお伺いしたら,「注射がありますよ」といって打ってくださいました。桶谷先生によれば,それはお乳を出るようにしてからアトもう一歩という時に力を借りるための注射であり,「最初から力を借りるものではありません,乱用すればむしろ出なくなってしまうのです」と聞いて,ゾッとする思いでした。
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