特集 助産婦研究論文集
産科におけるT字帯の改良を試みて
村上 京子
1
,
吉岡 靖子
1
,
中山 静江
1
,
世良 栞
1
1国立福山病院分娩部
pp.631-633
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205283
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
近年,医療用品の改善はめざましく,それに伴い看護用品も便利で能率的なものが種々考案されてきた。これに反し,従来から改善のみられないのは産婦・褥婦に使用されているT字帯である。T字帯は産・褥婦にとっては不可欠な物品の1つであり,(1)使用にあたって着脱が簡単であること,(2)衛生的であること,(3)安価であること,などの条件がみたされなければならない。
しかしながら,今日まで使用されているものは,歩行したり,臨床時でも陣痛などのため体動の激しい産婦にとって極めて脱落しやすい。産婦は腹部が膨隆しているため,下腹部が見えにくくて紐を結ぶのが困難で,緊縛の度合によってはきつすぎたり,またはゆるすぎて身体への密着性がなくなり,当て綿がずれて,羊水や血液が漏れて衣類を汚染することがある。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.