産科医がみた世界の素顔・9
韓国,特にその歴史と医療(2)
品川 信良
1,2
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
2弘前大学医療技術短期大学部専攻科
pp.561-568
発行日 1977年9月25日
Published Date 1977/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205266
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第11章 韓国の医療
日本人と韓国人とでは,韓国人のほうが日本人よりも論理的である。しかし韓国人はその反面,論理的であるが故に,それにこだわりすぎて,日本人よりも頑固であるらしい。日本よりも,西欧に対する開国が22年も遅れたことや,儒教道徳が日本よりも徹底していることなどは,この頑固さの現われである,とも一般にいわれている。このことは,両国の文化にも,よく現われている。
日本の文化は,いったい,どこまでが日本固有のもので,どこからが外国からとりいれられたものなのかさえ,よくは分からない。それくらいの「ごちゃまぜ文化」である。日・中・韓・南方,それに葡・西・オランダ・英・米・仏・独・伊・露等々,まことに雑多な古今東西の文化の「ごちゃまぜ」である。日本人は,よさそうなものならなんでも,あまり考え々せずに呑みこんでしまう。そして,時には消化しそこねることもあるが,大抵のものは何とか消化して吸収してしまう。消化できないものとは,未消化のままで,同居することさえ可能である。何が日本文化の特徴だからといって,このあまり深く考えもせずに,よさそうなものなら何でもとりいれ,それでいて,たいして支障をきたさないという点ぐらい,大きな特徴は,他にはあるまい。いわば極めて非論理的であり,論理の世界を苦手とし,またそれなしにも,結構生きてゆけるのが日本人である。
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