特集 社会の中の助産婦職
グラフ
もしもし うちの赤ちゃんが…—現代の母親像と,ある企業活動
八木 保
pp.203-206
発行日 1977年4月25日
Published Date 1977/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205187
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電話による,妊娠・出産・育児相談が大繁盛だという.この現象は,一方では,多忙を極める産科医療への痛烈な皮肉とも受けとれるし,翻ってみれば,核家族化がつくり出した現代のクールな人間関係の中で,確かなつながりを求めてもがいている母親たちの,孤立した状況を反映しているようでもある.
昨年の12月にオープンした干葉パルコの一角に設けられた「赤ちゃんサロン」.ここでは受話器を通さないface to faceの育児相談が行なわれている.店内には「赤ちゃん休憩室」として,ゆったりとしたスペースが確保されており,買物に来る母親たちに憩いの場を提供している.土日ともなると,ふだんはのんびりとした休憩室も,おむつ交換や授乳に訪れるママたちで,さながら戦場のようである.
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