助産婦事典
わが国におけるほ乳器の歴史的考察
加藤 翠
1
1日本女子大学家政学部児童学科
pp.114-121
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205168
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
人工栄養料(品)の推移については各乳業メーカーがかなり充実した社史を作っており,それによっても,また書物や雑誌の中にもある程度資料をみつけることができる。しかし人工栄養料を与える際に用いるほ乳器のわが国における移り変わりについては,第二次大戦後のそれすら,未だまとめられたものをみることができず,その史実を失いかけているといっても差支えないように思われる。
ただほ乳器については,"赤ちゃんの哺乳ビン百科"1)という単行本が昭和38年に出版されており,その中に主として欧米のほ乳器の歴史についてはかなり記述されているのであるが,わが国のそれについてはわずか12,3行にとどまっているのである。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.