研究・調査・報告
日常生活を通して保育の認識を高める教育を—2事例の実践活動から
多田 アサ
1
1東京都杉並東保健所
pp.726-728
発行日 1976年12月25日
Published Date 1976/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205140
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
従来の保健管理の考え方は,健康の維持といった消極的な取り組みであった。高度経済成長や社会環境の著しい変化が,子どもたちの体の上に多種多様にわたって現われてきはじめている。すなわち体の諸機能,諸能力の発達が歪められていく条件がどんどんつくり出されている。
たとえば生活習慣(食生活も含む)の面に目を向けると,保育に専念できる母親であっても,離乳食として缶詰離乳食,果汁,スープまでも与えている。すなわち買ってくればすぐ食卓に出せるというインスタント食品ですませてしまっている。そうした子どもたちは小学校に入ったときに最早や,手づくりの料理を好まなくなっていき,給食時の食べ残しは多いと言う。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.