母子衛生統計
死産(2)
中原 俊隆
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.565
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205105
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妊娠期間からみた死産
表1に,妊娠期間別にみた,自然・人工死産数および割合を示す。一般に,自然死産は妊娠初期に多く,その後比較的安定し,分娩近くになるとまた増加するといわれており,統計上もその傾向を示している。しかし,件数が第5月,第6月,第4月の順に少なくなり,第4月が17.8%を占めるにすぎないのは,届出に問題があるためとも考えられている。また,人工死産については妊娠初期に多いと考えられており,統計上もその傾向を示している。第4月の構成割合が低いのは,死産の届出に問題があるためとも考えられている。
第8月以後の死産を後期死産といい,母体外で生存可能なはずの胎児の死亡という意味で極めて重要である。この期の自然死産は,全体の30.4%を占めている。この期の人工死産は,優生保護法の対象外であるため,母体保護のための緊急措置と考えられ,件数も300と少なく,人工死産全体の0.9%を占めるにすぎない。
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