キャンパスだより
人間性尊重と真理の探求をめざして—東北大学医学部付属助産婦学校
冨田 由起子
pp.250
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205029
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学都として名高い仙台の北西に,東北大学医学部付属助産婦学校があります。その歴史は古く,大正8年に設置された東北帝国大学医学部付属産婆養成所として発足して以来,60年を迎えようとしています。この間,産婆養成所,助産婦養成所,助産婦補習科と名称の変更や制度の変遷を経て,昭和27年に今日の東北大学医学部付属助産婦学校に発展してきました。卒業した先輩助産婦も多く約2,000名を数え,わが国の助産婦教育上からも最も輝やかしい歴史と伝統を誇る学校の1つであると思っています。
陸前の遅き春の訪れの中にも春の息吹きの感じられる陽春の4月に,私たちは母子保健の担い手としての助産婦をめざしてこの伝統ある東北大学医学部付属助産婦学校に入学しましたが,入学して最初にはじめたことは,自分たちがどのようなことを目標とする助産婦になるかを検討することでした。「私はこのような助産婦になりたい」というテーマのもとにクラスメートの1人1人から自分の目標が出され,最終的に私たち23回生は「助産婦になったことを誇りとする助産婦になろう」「専門職としての助産婦業務の明確化をめざして努力しよう」「生命誕生の援助者として世界の母子に幸福をもたらそう」「妊産婦に限らず誰からも信頼されるすばらしい人間になろう」このようなビジョンのもとに,助産婦学生としてのスタートを切りました。
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