助産婦の仲間を訪ねて・2
開業助産婦によるオープンシステム診療所—15年めの今—福岡市・桜町診療所のばあい
国広 正樹
pp.101-103
発行日 1975年2月25日
Published Date 1975/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204817
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■海の息子を育て続けた14年
昭和36年6月1日,桜町診療所で生まれた女児のことを,福岡市助産婦会の助産婦さんたちは生涯忘れられないだろう。その日が桜町診療所開院の日だったからである。準備・工事期間も入れると14年がすぎた。今,わが国唯一の‘開業助産婦による’オープンシステム診療所「福岡市助産婦会桜町診療所」は,15年めを迎えようとしている。そして今年は福岡市助産婦会創立66周年にあたる。
診療所は,九州最大の娯楽地帯・東中洲を少し上流にさかのぼった清川にある。夾雑な巷とはまるで無関係のように,その一角を占めている。敷地は314坪,後ろは小遊園地になっている。付近は,博多湾にそそぎこむ幾筋かの川によって囲まれている。かつては,もっと奥の上流で小さな流れであったその川は,ここ清川の足元で,非常に広々と,深く,黄色になって流れている。そしてこの川は海と合流し,真に「海の息子」と呼ばれるまでにたくましく成長するのである。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.