助産婦事典
妊娠・分娩と迷信・俗説
山田 文夫
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.54-56
発行日 1974年1月25日
Published Date 1974/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204642
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1.はじめに
古くより伝承されている言いつたえ,風習のうち,いかなるものを迷信・俗説ときめつけるのかは困難であるが,現代の科学的常識では全く理解困難なものがすくなからず存在する。妊娠・分娩というような人類の期待にみち,しかも不安をはらむ要素の多い現象に対しては,このような伝承的言いつたえ,風習が数多くあり,そのなかには迷信・俗説と断ぜざるを得ないものもかなりある。妊産婦の保健指導にはいくつかの要点があるが,案外表面に出なくて障害となるもののひとつに,これら迷信・俗説が広く行なわれていることを忘れてはならない。
妊娠・分娩などという性現象は神秘性にとみ,人類としての期待が大きく,また不安をともなうので,人間的な弱みも加わっていろいろな迷信・俗説が行なわれている。
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