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結婚にまつわる迷信と分娩(1)
古葉 彌子
pp.58-59
発行日 1953年7月1日
Published Date 1953/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200397
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まえがき
人間社会の文化ということは,原始的の迷信を駆逐して合理的な智識を完成して,ゆくことでなくてはならない.われわれの医科が科学の上にうちたてられて,疾病の治療といい豫防といい,体力の向上といい,民族の優生といい,人間の幸福と,国家の興隆とにむかつて,あらゆる努力を捧げつつある行く手に立ちふさがつて,多大の妨害を加えつつあるものは,実にこの憎むべき迷信のばつこである.
迷信はまさに医人の敵である.敗戰日本の再建に合理的な建設を志すものであるならば,迷信打破のごときは,第1番に取り上げらるべき問題であり,新日本建設に重要なる役割をもつべきわれわれ医人が,助産婦が,まつさきに奮起してその革新を叫ぶべきであろう.私はまず迷信と紀婚ということについて火蓋を切つてみたいと思うのである.
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