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結婚にまつわる迷信と分娩(3)
古葉 彌子
pp.63-64
発行日 1953年9月1日
Published Date 1953/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200447
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九曜星
九曜星の起りは,むかし支那の禹の時代に洛水から現われた亀の背にあつた,斑点の数から考えついたのだともつたいつけられているが,実は何でもない数字の遊戯にすぎないのである.1から9までの数を,2・7・6,9・5・1,4・3・8,と3行に並べてみると縦に数えても,横に数えても,斜に数えても合計15になる.それを非常に不思議がつて,神聖なものと考え,それにいろいろな細工を加えて,ますます複雜なものに作りあげたのが九曜星である.俗暦にのつている八角時計の形をしたものがそれである.九曜星などと呼んでいるが,まつたくの大工物で,天の星にはなんにも関係がないのである.
この九曜星には,第一に色の名前があてはめられている,すなわち一白,二黒三碧,四緑,五黄,六白,七赤,八白,九紫というのがそれである.七つの色を無理に九つの区劃にあてはめたために,白が3度も用いられているのも滑稽である.
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