特集 妊婦貧血の問題をとらえる
農村妊婦の貧血について
小野 ケサノ
1
1岩手県胆沢町役場
pp.30-33
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204547
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1.はじめに
日本経済の成長率はめざましく,急速な第2次,第3次産業の発展は,若い労働力を農村から吸収し,昭和30年頃から農家人口の減少がはなはだしく,農業就業者の老齢化,婦人化という現象がおきて,主婦の労働を大にし,営農技術の進歩は必ずしも労働負担を軽減せず,むしろ労働時間を延長し,体力を消耗する経済を作っていることは,保健婦活動の中で痛切に感じております。
わけても新しい世代を作るために生まれてくるべき子供たちが,こうした母親の健康阻害から,多大の影響をうけてきております。当町では母子保健対策を第一にとりあげており,3名の保健婦が活動しております。現況は図1,2のように出生が少なく,その割に乳児死亡,死産,ことに新生児死亡が非常に高い率をしめておりますので,貧血検査に基づいた妊婦の健康管理の充実を期してまいりました。私たちの地域の中における2か年間340名についての概況をまとめてみました。
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