特集 妊婦貧血の問題をとらえる
産科外来における妊婦貧血の実態
稻垣 百合子
1
1虎ノ門病院産婦人科外来
pp.26-28
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204546
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1.はじめに
従来妊婦の貧血については,生理的なものとしてこれまであまり重要視されてなかった。ところが医学の進歩とともに健康な赤ちゃんを生むために,また妊婦の保健上からも無視できないことが最近強調されるようになってきた。婦人は平常から比較的貧血に傾いているといわれているが,妊娠によって血清鉄を母体から胎盤を経て胎児にうばわれるために起こる貧血は,かなりの割合を占めている。
これらに備えて,平常から食生活に注意することが肝要だと思われる。当産婦人科外来では,念のため妊婦の食生活の実態をアンケート調査してみるとともに,ヘモグロビン値のデータをもとに初産グループと経産グループに分け,妊娠の初期から後期にかけての妊婦貧血の実態をとらえてみたので,ここにご紹介する。
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