特集 症状からつかむ私の治療指針
産科
妊婦の貧血
荒木 日出之助
1
1昭和大産婦人科
pp.937-939
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204930
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妊娠時にみられる血液性状の変化は,胎児および子宮の変化を除外すれば最大といつても過言ではない。貧血の限界をいずれにおくかにもよるが,その頻度は諸家の報告によると全妊婦の約10〜30%にも達する。今日では,貧血検査は産科臨床に欠かせないものになり,妊婦検診における血圧測定,尿中蛋白・糖検査と同等にあつかわれ,母子健康手帳にも記載項目としてとりあげられているほどである。妊婦に貧血のある場合は,分娩時に異常出血がおこつたり,出血量が多いばかりでなく,ショックに陥つたり,微弱陣痛・産褥感染・乳汁分泌不全なども起こしやすい。
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