グラフ
滝 止士の生前葬儀—精薄者援護施設創立運動
川上 重治
pp.2-8
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204427
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滝止士(58歳) 昭和16年北海道にて小学校教員となる同25年,北海道札幌市にはじめてできた琴似小学校特殊教育の担任となる。その後市立白樺養護学校創立に6年を賭け,あと2年間,全国の特殊教育,福祉を視察のため放浪する。43年,現千歳いずみ学園となる。
昭和48年2月21日,生前葬儀を行なう。参列者は十数名葬儀費なし,本人の遺影に本人が読経し楽しく終了,彼のもとによせられる香典は,精薄者援護施設の基金となる。このままでは,滝止士は普通人と同じく栄光の道を歩くことになったであろうが,政治の温い手の伸びないところにいる精薄者の施設をつくるため,人から風変りだとか,奇抜だとかいわれながらも香典募金を募ることになった。一般は数の多い方を正常者とみなし,少ない方を異常者のように思うが,滝止士をここまで追いつめたのはなにか。
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