おんなと仕事
逆行する女子教育
駒野 陽子
1
1東京都千代田区立一ツ橋中学校
pp.70-71
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204324
- 有料閲覧
- 文献概要
主婦が働くことが,だんだんふつうのことになり,好むと好まざるとにかかわらず,女の一生の間に,社会的な労働をする期間が長くなってきている現実がありながち,一方では"女はかくあるべき"という昔ながらの社会通念が根強く残っていて,女たちはいつもそのズレの中で苦しんできました。
保育所がないとか,仕事が忙しくて家事をする時間が少ししか取れない,とかいう現実的な困難があるとしても,もし女自身の意識の中に,"仕事のために子供を犠牲にしてはかわいそう"とか,"家事を十分にやれなくて,女としての務めが果たせない"とかいううしろめたさがなければ,その精神的な迷いや苦しみは,かなり軽減されることでしょう。また,夫や周囲の人の眼が,働く主婦に対して,もっとあたたかく,"男と同じに仕事を持っているのだから,家事,育児の負担はたいへんだろう"といった理解が感じられたら,どんなに大きなはげましになるかしれません。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.