北から南から
「おむつかぶれ」に新説(徳島) 身障姉弟道連れ心中(岐阜)
pp.72
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204325
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一種のカビが原因
"おむつかぶれ"は,これまで乳児の尿の中の尿素がアンモニァ発生原因菌によって分解され,その結果発生するアンモニアによって生じる皮膚炎といわれてきたが,徳島大学医学部皮膚科の武田克之教授(44)は過去数年間,乳児の皮膚炎患者を診察した結果,おむつかぶれはアンモニァだけによる疾患ではなく①おむつカバーについているゴムや生地のあらい布地でこすったり,尿や便に刺激された場合②尿便中の腸内細菌の変形菌の影響③アセモによるもの④アレルギー体質の子供に起ζるアトピー皮膚炎などで炎症が起こり皮膚の抵抗力が弱っているところヘカンジダ(水虫に似たカビの一種)が侵入,さらに重い皮膚炎症になるなど,研究結果を発表した。
同教授によれば,徳大付属病院へ「おむつかぶれだ」と治療を受けにきた乳児の約90%までがこのカンジダに犯された皮膚炎患者。
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