インターホン
八丈島のお産
岩渕 立身
1
1町立八丈病院
pp.64-65
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204238
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今年の3月,生まれて初めて飛行機に乗り生まれて初めての地,八丈島に来ました。空から見ますと,海の青さ一面の中に,ぽつりと緑の島が浮かんでおり,どこか寂しさを感じさせる何かがありましたが,島の生活を,島民と8か月間一緒に過ごすことにより,島の人たちの情の深さ,底抜けに明るい笑顔を見つけることができ,寂しさなどいっぺんに吹き飛んでゆきました。昔は外部との交流もほとんどなく,すべて自給自足で飢えをしのいでいたようですが,現在では,海・空の交通も頻繁となり,いろいろな設備(電気・水道・電話)も完備され,近代的な八丈となりました。ただ残念なことは,あまりにも,八丈が過大宣伝されているため,観光に来た人たちを失望させる面もあるということです。
島民の生活をささえているものは漁業と熱帯植物の出荷です。この他に夏の観光シーズンにあわせていたるところで民宿が行なわれますが,1年を通じて,経済的に恵まれているわけでもありません。しかし島の人たちは,意外にのんびりしています。それは,気候に恵まれていることと,海の幸が非常に豊富であるためと思われます。
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