近代助産模様
その2
興梠 忠夫
,
増田 小松
,
石田 ヘン
1,2
,
久下 よね
3
1大阪府産婆会
2豊能郡産婆会
3南河内郡産婆会
pp.66-69
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204180
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雷様が産婆役
今を去る22年前のある片田舎に,予定日より2週間,間のある妊婦がありました。
それは7月3目,梅雨明けのこととて,午前10時ごろからにわかにはげしい夕立に雷鳴を伴い,ふりしきる一瞬,耳もつんざくばかりの雷,折りも折りとてその妊婦のお隣りに落雷し家屋は半焼しました。おどろきのあまり,妊婦は人事不省に陥り上を下への大さわぎ……ただちに医師を迎えに走られましたが,ちょうどお留守中ゆえ,わたし方へ急使が参りました。さっそくはせつけました時は,おぼろげながらしだいに意識を回復しつつありました。わたしはなにとぞ胎児に異常なかれかしと祈りつつ診察いたしました。
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