特集 新生児黄疸
交換輸血をした子どもの予後
安達 寿夫
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.22-25
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204100
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はじめに
新生児の交換輸血については,わが国ではRh(D)マイナス型が少ないためもあって,10年前まではごく限られた病院でわずかの症例にしか実施されませんでした。しかしその適応が血液型不適合に関係のない新生児高ビリルビン血症に拡大されるとともに,6〜7年前から急速に普及してまいりました。
交換輸血の適応症例が増加するとともに,最近はその障害についての報告もみられるようになり,交換輸血児の予後がふたたび問題とされるようになりました。このふたたびと述べたわけは,当初は術中や直後死亡などの1次障害と血清ビリルビン値別の脳障害に対する予後が主として問題になったのに対して,最近は乳児期の発育や肝炎などの合併症の罹患率(2次障害)が注目されるようになったためです。
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