あんてな
これからの母子保健
近 寅彦
1
1厚生省母子衛生課
pp.62
発行日 1971年2月1日
Published Date 1971/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204079
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WHO(世界保健機構)が日本の母子保健はノーベル賞ものと激賞したというニュースはまだ耳新しい。たしかに戦後の母子保健水準の改善は著しいものがあり,母子保健関係者の努力は高く評価されてよい。しかし,まだ,妊産婦の死亡率や周産類死亡率は依然高く,加えて,高度経済成長の歪みは,地域組織の崩壊,生活環境の汚染,母性意識の喪失,性の退廃などとなって,母子の健康を脅かしている。昨年,21世紀の人づくりを合言葉に華やかにスタートした70年代の母子保健は,ようやく展開されてゆこうとしている。これからの母子保健は何をめざしているか,最近の動きから探ってみよう。
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