連載 母と子の法律・4
勤労者である母子の母性保護とその権利—わが国と欧米諸国との対比
佐藤 進
1
1金沢大法律学・社会保障
pp.54-57
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203956
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1.はじめに—労働法と女子勤労者保護
前回までに,母子の生存権保障との関係で「健康保障」という面で,とりわけ母子の—それが勤労していると,自宅にいるとを問わず—医療(疾病,出産や保健サービスなど)を中心に説明をしてきた。もちろん,くり返してのべたように,今日わが国の高度経済成長政策の展開・発展によって技術革新労働単純化による若年労働力不足にともない,従来家庭にいた主婦も職場に進出することが目ざましくなった。とりわけ,今日の女子の職場進出は,かつて「嫁入り前の腰掛型」から,結婚・共かせぎと「定着型」を示し,男子労働力に比し,女子労働力の全雇用量からみるその割合も,西欧なみになってきている。
これとともに,農業における女性化・高年齢化,一般産業におけるも女性化傾向著しい。
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