特集 心身障害児
わが国における心身障害児の実態と対策
佃 篤彦
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.10-16
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203950
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1.心身障害児の実態
(1)精神薄弱児の実態
厚生省では5年に1回,全国の一般世帯に在宅している精神薄弱者の実態調査を行なっているが,最近の調査は昭和41年8月に実施された。この調査における精神薄弱者とは福祉的処遇の面からとらえた精神薄弱であり,医学的,心理学的,社会診断的見地からそれぞれの所見を分析し,知能測定値や運動能力,社会生活能力,基本的生活能力等の程度別総合判定のためのプロフィールに基づき,医師,心理判定員,ケースワーカー等が協力して総合判定を行ない確定したものである。
この調査結果によると,全国の在宅精薄者は484,700人であり,これに調査日現在全国の精神薄弱児施設や成人のための精神薄弱者援護施設に入所中の精神薄弱者20,400人を加えると,福祉の面での処遇からみたわが国の精神薄弱者の総数は505,100人となり,これは人口200人に1人,約0.5%にあたることになる。
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