特集 助産婦に必要な薬の知識
(1)妊産婦とくすり
妊娠中毒症のくすり
森 一郎
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科教室
pp.6-11
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203797
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はじめに
妊娠中毒症は発生原因が今日なお不明であるので,簡単に定義するわけにはいかないが,妊卵によっておこり,多種多様な病態を示し,妊卵の死滅または排出により多くの場合速やかに軽快する疾患群と解しているものが多い.したがって本症の治療にあたっては,もちろんその真因をつくような的確な薬剤は知られていない.しかし対症療法によって,かなり好転したりあるいは治癒して,妊娠の持続が満期まで可能なことが多いので,一般には対症的な治療法が行なわれているのが現状である.それで,以下治療に用いられる薬剤について述べるが,本症は発生の時期によって病状がかなり異なるので,前期および後期妊娠中毒症,後遺症にわけてふれてみる.
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