研究
当院の妊婦保健指導の実績—献預血,母親教室,精密検査
松浦 鉄也
1
,
野中 武
1
,
小久保 里子
1
1松浦病院
pp.46-48
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203546
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
妊産婦死亡統計によると死因は,中毒症が第1位である.しかし死亡届出を原因別に整理して実態調査によって死亡の実態を調べ,死亡原因の修正を試みた成績1)では,いずれの報告をみても出血が死因の首位を占め,中毒症よりも重要な問題であることが注目される.東京都近郊600人の開業実地医家の分娩時死亡実態について,わたくしどもが調べた結果2)でも,出血死が24時間以内の妊産婦死亡の50%を占め,出産1万あたり6.3名の高率であり,分娩時の輸血態勢の整備3)が母性保健上たいせつな問題であることを示している.
一方預血・献血は,昭和39年より昭和40年にかけて,14,400lから50,700lに上っているが,売血を廃止したために2年前に比して,保存血の製造は25%減少している.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.