臨床経験
当院における若年妊婦の動向
髙橋 ゆう子
1,2
,
武知 公博
1
1公立昭和病院産婦人科
2駒込病院婦人科(現所属)
pp.177-182
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210243
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▶要約
【背景・目的】未成年の妊娠は経済的基盤や知識の不足から,育児困難と強く関連する.当院ではソーシャルワーカーの早期介入や児童家庭支援センター,保健所などとの連携を行っている.平成23年度から27年度に当院で分娩した妊婦のうち,分娩時19歳以下の妊婦を対象とし背景と周産期予後を検討した.
【結果】5年間の分娩数3,355例のうち上記妊婦は62症例,被虐待既往の症例が16.1%,精神疾患合併が11.7%,生活保護世帯が25.8%,健診未受診が11.9%,未婚が75.5%であった.早産は10%で,児は97%が自宅退院し,3%は乳児院へ,児童相談所の介入は8.4%であった.妊娠判明時,高校生が71%,中学生が4.8%で,在籍中の高校を卒業した事例はなかった.
【考察】若年妊婦は被虐待既往や,サポート不足,健診未受診,精神疾患の合併が多い.学校や行政と連携したサポート体制導入が今後の課題である.
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