助産婦必読図書
母性保健—林 路彰・山下 章編集
竹村 秀男
1
1母子健康センター連合会事務局
pp.56
発行日 1968年2月1日
Published Date 1968/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203527
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国の母性保健は,いま急速に変貌しようとしている.その理由の第1は医学の進歩である.子供が生れると,その育成に医学は大きな力を発揮し,未熟児はいうまでもなく,奇型児や心身障害児も育成できるようになった.そのために,新生児,乳幼児の死亡率が減少したが,これは近代医学の凱歌である.
しかし,このような子供をもつ親の負担を増加させる結果になり,この対策のために国と都道府県は合わせて年間200億円の予算を投じなければならなくなった.一方,母子保健を推進する国の予防対策費はわずかに6億円で,母子保健行政は心身障児の後仕末に振り回されているのが現状である,厚生省も母子保健行政を立てなおして予防に重点をおくために,昭和43年度の施策をとくに「よい子を生み育てる対策」と銘打って実施しようとしている.これは,いままでにないことである.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.