巻頭随想
男らしさと女らしさ
白石 浩一
1
1昭和女子大学
pp.9
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203433
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「A夫くんは,どうも男らしくない」とか「B子さんは,とても女らしい」とかいう批評を私たちはよく耳にする.だが,そもそも《男らしさ》あるいは《女らしさ》とは何か,と開き直って問題に取り上げると,これを定義するのは,ほとんど至難に近い.
私たちは,日ごろの男女の行動や態度を眺めて,漠然と「男とはこんなもの」「女はこうふるまうべきもの」というようなイメージをつくり,そういうあいまいな次元で《らしさ》を考えている.しかし,私たちが目に触れるのは,日本という,文明圏の一隅に生活している男女である.けれども,"ところ変われば品変わる"のことわざのとおり,この世界には,私たちと全く異なった生活をいとなんでいる種族もいる.
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