今月の主題 内科診療に役立つメンズヘルス
メンズヘルス診療のトピックス
男らしさ・女らしさを決めるもの―共感能力を中心に
増田 宏子
1
1東京大学高齢社会総合研究機構
pp.1988-1989
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105652
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他人へ共感することは社会生活に適応するうえで重要な能力である.最近,テストステロンが高いと,他人への共感能力が低くなるという研究結果が発表された1).
脳はアンドロゲン(テストステロン)の標的臓器の一つである.テストステロンは,視床下部からのGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)と,脳下垂体からのLH(性腺刺激ホルモン)の分泌により,主に精巣で生合成され,血液脳関門を透過して脳内視床下部や海馬に作用するが,最近の研究では一部,脳内でも生合成されていることが明らかになっている2).また,テストステロンが低下することによって,記憶,言語,計算,空間認識,判断などの認知力が低下することも知られている3, 4).
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