新生児・乳児の対症看護シリーズ 新生児
救急看護—新生児外科における
長島 金二
1
1賛育会病院小児外科
pp.30-35
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203412
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.はじめに
新生児期にもいろいろな病気があり,早く発見して,早く治療を行なわぬと,赤ちゃんを救命しえぬことがある.誕生した尊い生命を守るため,新生児期にみられる疾患が発見された時に,どのような緊急な治療が必要となるかについて,小児外科の立場より述べる.
私事ですが,私の長男が誕生したアメリカのロスアンゼルスの病院では,赤ちゃんは,生まれるとすぐ小児科医の手にゆだねられ生後間もなく行なわれる,はじめての診察やその後のいっさいの健康管理もこの小児科の専門医が行ないます.正確に申しますと,母親が妊娠して産科医を訪れる第1回目の診察の時に,すでに,生まれてくる赤ちゃんを担当する小児科医が,決定されます.かかりつけの小児科医または,産科医の懇意な小児科医に,この役を引き受けてもらうことになります.このような担当分野のはっきりした区切りが,まだそれほど明瞭ではない現在の日本の実情を考えますと,生まれたばかりの赤ちゃんの管理に,ややもすると,真空状態と申しましょうか,医師の観察が不十分となりがちな状態が存在することにもなりかねません.かような状況のもとでは,生まれてくる赤ちゃんを第一に手にする助産婦の方々に,新生児期の疾患につき知っていただくことは,大変に意義のあることと存じます.新生児にみられる疾患を下記のような症候別に分けて,いくつかのグループとして,その治療について記してみましょう.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.