現代のカルテ
暴走する紅衛兵
野口 肇
pp.48
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203298
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さる6月,北京で開かれた政治協商会議(中共を除く民主諸党派の代表者の集まり)で,突如,同国の作家・史家の長老郭沫若は,自分が過去50年書いたいっさいの作品は焚やすとバクダン演説しました.彼はこれを自発的(?)にやったと強調したが,それにしてもあまり突飛な発言なので,中国でなにか大変動が起こったらしいと世界は推測しました.いわゆる文化大革命の先駆です.
つづいて北京市長・党政治局員の肩書をもっていた彭真が解放され,その後もぞくぞくと有力な人事変動がすすんでいます.とくにいままでの国防相だった林彪が毛沢東首席の正規なあとつぎになり威信を一気にたかめました.毛首席思想の最大の理解者というわけです.
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